写真の列車は結構長いこと駅に停車しているような気がした。ここが始発駅である列車の出発時間はまだ訪れない。まるで、これから遠くへ旅する乗客たちに十分な見送りの時間を与えているために停車しているかのように静かに発車時間を待っていた。列車の窓はどれも開いていて、窓の前にはところどころに見送りに来た人たちが立っている。窓越しに乗客との別れを偲んでいるのだ。
プラットホームをウロウロしながら見送り客の姿を眺めていると、その中に幼い女の子を抱えてたお母さんがいるのが見えた。車窓のひとつの前に立っていたお母さんは、幼い娘を抱きかかえながら車内の人と話している。このお母さんもやはり見送りに来たのだろう。誰と話しているのかは見えなかったけれど、おそらくはどこかへ赴く旦那を見送りに来たのに違いない。列車は動き出す気配を見せておらず、お母さんはじっくりと話し込んでいる。話している時間が長くなれば長くなるほど、別れるのが辛くなってしまうような気がしてしまうけれど、どうなのだろう。
No
11119
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年07月29日
撮影場所
ヤンゴン / ミャンマー
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA