建物の中に足を踏み入れると、懐かしい光景があった。机が並んでいて、その向こうに黒板が見える。いつかどこかで通った中学校に迷い込んでしまったかのようだ。でも、よく見ると自分が通った中学校とはちと違う。時代の趨勢か教室に並べられた机は少なく、黒板も大きな一枚ではなくいくつかに分割されたものだ。ここは廃校になった中学校を改修したアートセンター、3331 Arts Chiyodaだ。
かつて教室だったところがアートギャラリーやスタジオ、クリエイティブオフィスになっていて、コミュニティ・スペースやカフェもある。写真は一階で営業しているそのカフェだ。元々が学校だっただけに教室を模しているわけだ。
僕がカフェにやって来た時、黒板に授業の断片は何も残っておらず、先生の姿もなく、教室は静まり返っていた。ほとんどの生徒は家路に就いてしまったかのよう。放課後の寂しさの中でひとりだけが居残り勉強しているように見えた。
2021年6月 町角 東京 | |
バック・ショット カフェ 時計 机 神田 学校 |
No
11927
撮影年月
2020年10月
投稿日
2021年06月04日
更新日
2024年01月29日
撮影場所
神田 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
RICOH GR III