脇道に逸れて、お店が密集している場所へ入った。そこも市場だった。線路の上に開かれていて、観光名所にもなっている市場のすぐ脇にもまた別の市場があるのだった。この市場は至って普通の市場で通路には穏やかな空気が漂っていた。観光客の姿は見当たらない。東南アジアのどこにでもあるような変哲のない市場には興味は無いのだろう。ひょっとしたら、すぐ横に別の市場があるということさえも知らないかもしれない。
省エネなのかどうか、電灯も疎らにしか点いていない通路を歩いていく。観光客の姿も無いけれど、地元の買い物客の姿も無い。歩いているうちに、床屋の前にやってきた。大きな鏡が壁に掛けられている。けれども、鏡の前の椅子には誰も腰掛けていなかった。長閑な空気はこの床屋の中にもしっかりと侵入してしまっているようだ。鏡の端の方には女性の床屋の姿が見える。ぼんやりとスマホをいじっていて時間を持て余しているようだ。そして、時間はゆっくりと流れていた。
2018年7月 町角 タイ | |
床屋 時計 メークロン 鏡 |
No
10631
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年07月02日
更新日
2024年02月09日
撮影場所
メークロン / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA