列車は走っているうちにサムットソンクラーム県を抜けて、サムットサーコーン県へと入ったようだった。車窓の外に変わらずのどかな風景が広がっている。塩田が多い。この辺りは天日干しの製塩が産業になっているのだろう。どの塩田にも水が張られていて、一見すると耕作放棄された水田のようだ。どの塩田にも一切人の姿を見かけないことも、光景を寂しくさせている。この時期のタイは雨季の真っ最中だ。天日干しで製塩する製塩業にとって閑散期に違いない。あまり乗客の乗っていない列車は、閑散とした塩田の中を進んでいく。
眼鏡をかけた写真の男は、数少ない乗客のひとりだった。おそらく、降車駅が近づいてきているのだろう。男は窓辺に立って窓枠に手を載せながら車窓の外を眺めている。カメラを構えた時、男の向こうには建設中の大きな建物が見えた。
そうこうしているうちに列車は徐々にスピードを落とし、田舎町の駅に停車した。予想していた通り、男は列車から降りていった。
2020年3月 人びと タイ | |
バック・ショット 車窓 眼鏡 サムットサーコーン 列車 |
No
11455
撮影年月
2019年9月
投稿日
2020年03月23日
更新日
2024年01月06日
撮影場所
サムットサーコーン県 / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
RICOH GR III