トンブリー駅へとやっては来たものの、僕は特にこの駅からどこかへ向かうつもりがある訳ではなかった。切符も持っておらず、どのような列車がここから発車するのかでさえ知らないまま訪れたのだった。それはともかく、駅には列車が静かに停車していた。トンブリー駅はバンコク第2の駅であることを考えると、この静かにしている列車もどこか遠いところに向かうのだろう。でも、発車する気配は感じられない。もうずっとこのままここに止まることを決心してしまったかのようだった。
乗客と思しき人びとは、プラットホームでのんびりしている人もいれば、もう車両の中に乗り込んでいる人もいた。車両に近づいていくと、冷房が無いのか、動いていないのか、窓は全て開けられている。乗り込んだ人びとは開けられた窓から動かない車窓を眺めていた。そうこうしていると、坊主頭の男性と視線が合った。男は僕の持っているカメラにすぐさま気が付き、朗らかに僕に向かって親指を立ててくれたのだった。
2018年9月 人びと タイ | |
バンコク 車窓 坊主頭 サムアップ 列車 |
No
10721
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年09月05日
更新日
2024年02月01日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA