江戸時代に建てられた合掌造りの床の間に、今でも人が住んでいるかのように花が活けられていた

三渓園に建つ旧矢箆原家住宅の床の間
旧矢箆原家住宅の床の間
似たような写真

横浜にある三渓園の広い庭園内にはあちらこちらから移築してきた建造物が建っている。ここは原富太郎という絹貿易で財を成した実業家が造った庭園。日本国内にも海外にも富豪がコレクションした美術品を公開している美術館は多い。ここ三渓園も単なる庭園でなく、世界でも珍しい本物の建造物を陳列している美術館と呼ぶのに相応しい。

三渓園には、シンボルのように小山の上にそびえる1457年に建築の旧燈明寺三重塔を始め、室町時代に建てられた旧燈明寺本堂や1649年に建築された旧紀州徳川家藩別邸だった臨春閣など、京都、和歌山、神奈川、岐阜、東京から移築された17棟の歴史的建造物が収蔵されている。これらの建造物が広い園内をウロウロしながら見学できるように配置されているのだ。古い建造物が多いので外観を堪能するしかない建造物もあるけれど、中には建造物の中に入れるものもある。

この写真を撮った旧矢箆原(やのはら)家住宅も、実際に中に入れる建造物だった。江戸時代後期に建てられた入母屋合掌造りの民家で、その名が示すとおり白川郷から移築したものだ。民家だからといって侮れない。なんでも元の所有者である矢箆原家は飛騨の三長者のひとりといわれたくらいの豪農だったようで、立派な書院造の座敷を備えた格式の高い農家だった。

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ENGLISH
2023年2月 神奈川 静物
庭園 花瓶 横浜

PHOTO DATA

No

12444

撮影年月

2022年10月

投稿日

2023年02月10日

更新日

2023年08月09日

撮影場所

横浜 / 神奈川

ジャンル

建築写真

カメラ

SONY ALPHA 7R II

レンズ

ZEISS BATIS 2/40 CF

日本国内で撮影した写真とエッセイ

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