スマホもなくて国によってはインターネットカフェも珍しいような時代、バックパッカーをしていた僕の主な情報収集手段は口コミか安宿に置いてあった情報ノートだった。あちらに面白いものがあると聞けば赴いて、こちらに美味いものがあると聞けば口にする。宿では寝転がりながら、手書きの情報ノートを捲っていた。興味深いのはバックパッカーにはいろいろな国籍の人がいても、手書きの情報ノートに書かれている言語に偏りがあったこと。圧倒的に日本語で書かれたものが多かったのだ。それに比べると、欧米人による記載は少なかった。元禄時代に生きた酒好き女好きのサラリーマン武士がゴシップを記載したような日記が残っているような日本だ。日本人は筆まめな民族なのだと感じていた。
しかし最近は日本人がそれほど筆まめなわけではないと考え方がちょっと変わった。正確には日本人「だけ」が筆まめなわけではなく、東アジアの人たちは基本的に筆まめなのではないかと思い始めている。情報収集手段が情報ノートからGOOGLE MAPの口コミに変わり、ネットで書き込みを見ていると、台湾での書き込みがとても多いのに気がつく。平均的な書き込み量は日本よりも多いのではないだろうか。たまたま見つけた屋台も特に有名な店でもないのに口コミの数は軽く300を超えていた。書き込みがあまりなく、しかも不正確なことも多いインドとは大違いで、古くから正史を残してきた中華文化と歴史を文章で残すのに興味のなかったインド文化との違いをまじまじと感じるのだった。
2024年9月 町角 台湾 | |
自転車 高雄 影 商店街 |
No
12646
撮影年月
2024年3月
投稿日
2024年09月11日
更新日
2024年09月25日
撮影場所
高雄 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF