下関条約が締結されて台湾が日本領になる前の高雄は打狗と漢字で書かれていた。ターカウと読んで、平埔族マカタオ族の言語で「竹林」を意味する言葉なのだそうだ。昔は竹林が広がるようなところだったのだろうかと思いを馳せるとともに、かつての漢字からは中国人の意地の悪さも感じてしまう。打狗という字面は「犬(狗)を打つ」という意味を連想させる。そこに住んでいる人たちは「犬(狗)を打つ」ような野蛮な人たちだという見下した意識だ。
自らを「中華」と呼んだ中国人は、昔から朝廷に帰順しない周辺民族や外国人を夷狄と呼んで卑しめていた。その一環で「打狗」と書いたのだろう。それが日本領になると状況が一変する。「打狗」という文字が卑俗であることから、ターカウという発音と近く京都の紅葉の名所でもある高雄(たかお)に改称されたのだ。しかし話はここで終わらない。日本統治時代は高雄と書いて「たかお」と呼ばれていたのが、今度は中華民国領になると高雄という漢字はそのままにカオシュンと読まれるようになって現在に至っている。読み方を軸に漢字地名を変えたのが、その後漢字地名を軸に読み方を変えていて興味深い変遷だ。
2024年9月 町角 台湾 | |
漢字 食べ物の屋台 高雄 バイク |
No
12645
撮影年月
2024年3月
投稿日
2024年09月08日
更新日
2024年10月04日
撮影場所
高雄 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF