ゲゲゲの鬼太郎が裏手に住んでいたという設定もある調布にある布多天神社は延喜式にも記載のある古い神社で、僕が訪れたときも参拝に訪れている人が大勢いた。整備された境内に鬼太郎の住処だという雰囲気はない。僕の偏見かもしれないが、鬼太郎のような職業不詳で得体のしれない人間を積極的に排除するのではないかと思わせるくらい整備されていて、世の中のグレーゾーンとは相容れないように見えた。
そんな布多天神社を後にして調布駅に向かうと、すぐに視界に気になる建造物が入ってきた。大正寺という寺院の山門なのだけれど、個性的な形をしている。竜宮門と呼ばれる浦島太郎に出てくる竜宮城の門を思わせる形をしているのだ。このような形状の門は他にまったくないわけではないものの、東京近郊ではあまり見かけない。
竜宮門は珍しいだけでなく、見ると異国情緒を感じてしまう。浦島太郎の竜宮城を連想すると同時に中国も連想してしまうのだ。それは何故だろうと長年疑問に思っていたところ、この様式は中国の建築様式を取り入れたものなのであながち間違ってはいなかった模様。もともと黄檗宗の様式だったのが、日本に伝来したときに個性的なゆえに他の宗派でも採用されたようだ。確かにこの門が建っている大正寺も黄檗宗ではなく新義真言宗の寺院だった。他の宗派の様式でも格好いいと思えば取り入れる、それくらいのゆるさがないと物見遊山で来た人間には面白くない。
2022年8月 建築 東京 | |
調布 門 寺院 |
No
12340
撮影年月
2022年5月
投稿日
2022年08月03日
更新日
2023年08月11日
撮影場所
調布 / 東京
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35