青空の下、ジャカルタ・コタ駅から伸びる線路の上を歩いていた。日差しに照らされた線路の上を歩くのは心地よいものの、列車が来たら、避けなければならない。でも、幸か不幸か、列車はほとんど通らないようだ。僕はのんびりと線路の上を進んでいく。スリランカでは地元の人たちがみな線路の上を行ったり来たりしていたのを思い出す。列車の通らない線路は、単なる歩きにくい道路だった。
線路横には住宅が建ち並んでいた。本当は住宅地にするような場所ではないのにもかかわらず、家々が建っているように見える。平たく言うと、鉄道会社の所有敷地を不法占拠しているようなのだ。どこの都市でも河川敷や線路脇には貧しい人びとが居を構えていることが多い。ここもそのような場所のようだ。
線路脇に建つ家の前にフェンスはない。玄関開けたら、すぐに線路だ。そんな危険と背中合わせの状況だけれど、家と線路の間で遊んでいる幼い子どもは多い。子どもに電車が来ているのかどうか、今線路の上に出ていって大丈夫なのかどうかを判断できるか考えてしまう。たぶん、できないだろう。そんな無防備な子どもたちが遊び回っている中に列車を走らせる運転士が不憫に思えてならない。列車のホイッスル音やブレーキ音を考えると、無防備な子どもたちと運転士の両方の気持ちが心に重くのしかかってくるのだった。
2021年3月 町角 インドネシア | |
家屋 ジャカルタ 線路 |
No
11844
撮影年月
2020年1月
投稿日
2021年03月13日
更新日
2023年08月27日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF