白蘭市場の端っこにあるお店の前で編笠をかぶった女性が屋台を開いていた。屋台は建物の一階に構えているお店とは別ものだけれど、女性はまるで自分の屋台もお店の一角のような顔をしている。お店のテーブルの横に自分の籠をさりげなく置いている。
編笠をかぶった女性の屋台に売り物はほとんど残っていなかった。わずかに売られているものはバナナ一房と幾つかの筍だけだった。女性の行商人はつまらなそうな顔をしながら、籠の上に足をおいていた。あらかた売り払ってしまったので、もうやることがないのだろう。ぼんやりと往来を眺めていた。
そのうち、サングラスをかけた女性の買い物客が屋台の前に現れた。女性は空っぽになっている屋台の籠に目もくれずに通り過ぎていく。売るものがほとんどない屋台なんて、買い物客には存在しないのも同然だ。そんな様子を目の当たりにしても、編笠の女性は表情を変えることはなかった。
2019年11月 人びと 台湾 | |
タケノコ バナナ 二人組 買い物客 露天商 台北 女性 |
No
11290
撮影年月
2019年7月
投稿日
2019年11月22日
更新日
2023年10月01日
撮影場所
台北 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
RICOH GR III