市場とは名が付いているけれど、ここには屋根も無ければ建物も存在しない。商売をしている人びとは道路脇に店を開いていた。なんだか露天市のようだ。そして、店の構え方も人それぞれのようだった。テーブルを出して商品をその上に陳列している人もいれば、地面に敷いた敷物の上に無造作に並べている人もいる。
写真の男は後者のタイプだった。地面の上に商品を広げて、自分は小さな椅子に腰掛けて商売をしている。よく見ていると、男は筍も売っていた。地面に幾つも置かれた筍にはまだ土が付いていて、ついさっき収穫したかのよう。産地は八理と書いてあるから、台北のちょっと北にある新北市の八里で採れたもののようだ。
台湾の人も日本の人と同じように筍を好んで食すのだろう。中華料理と筍は相性が良いような気がする。でも、筍を眺めていると、そのうちに違和感を覚えた。日本で筍のシーズンと言うと春先なのだけれど、今台湾は夏真っ盛りだ。シーズンが全然違うのに、店先には新鮮な筍が並んでいる。台湾での筍の最盛期は、なんと7月と8月らしい。
No
11281
撮影年月
2019年7月
投稿日
2019年11月15日
撮影場所
台北 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
RICOH GR III