二条城の唐門を抜けるとすぐそこには二の丸御殿が待ち構えていた。遠侍、式台、大広間、蘇鉄の間、黒書院、白書院の6棟が雁行形に立ち並ぶ国宝にも指定されている建造物だ。写真はその二の丸御殿を二の丸庭園側から撮ったものだ。
二の丸という名称からは、この建造物が城郭の中で最も重要ではない印象を受ける。一般的に日本の城で中核となる曲輪は本丸だ。しかしながら、この二の丸御殿は日本の歴史上、転換期の舞台になった場所だ。第15代将軍・徳川慶喜が1867年11月9日に政権返上を明治天皇へ奏上した場所だ。いわゆる大政奉還が行われたのはここ二の丸御殿の黒書院なのだ。
時の将軍が政権を返上するなんていう重要な儀式が本丸ではなく二の丸で行われたことにちょっと違和感を感じて調べてみると、もともとは今の二の丸御殿の東側部分が本丸だったようだ。今の本丸に立っている建造物は御所の北にあった旧桂宮邸を移築したもので、徳川家の二条城とは本来無関係の建物なのだ。
2021年4月 建築 京都 | |
城郭 京都市 世界遺産 |
No
11879
撮影年月
2020年2月
投稿日
2021年04月17日
更新日
2023年08月24日
撮影場所
二条城 / 京都
ジャンル
建築写真
カメラ
RICOH GR III