京都市にある二条城のすぐ南に神泉苑という寺院がある。池に浮かぶ島の中に善女龍王を祀った社が建つ神社だ。今では北を押小路通、南を御池通に挟れていてその境内は広いものではないものの、794年に創建された時は平安京大内裏に接して造営された広大な禁苑(天皇専用の庭苑)だったらしい。徳川家康が1602年に二条城を造営した際に北側の敷地の大部分が城内に取り込まれて著しく規模が縮小し、現在の境内になったようだ。
ここに祀られているのは雨乞いの対象である竜王の一尊、善女龍王だ。禁苑に雨乞いの神様が祀られているのも興味深い。かつて淳和天皇の勅命により弘法大師空海が神泉苑の池畔で雨乞いを祈祷したのだという。空海が善女龍王をこの地に勧請した結果、旱魃が終わり雨が降り出して以降、神泉苑の池には善女龍王が住まわれている信じられているのだ。
雨が降らないと困るのは今も昔も同じだけれど、今のご時世に真剣に雨乞いする人はいないに違いない。それでも、境内でアヒルと戯れていると善女龍王社をお参りする人が次から次へとやって来ていた。何をお祈りしているのだろう。
2021年4月 動物 京都 | |
アヒル 京都市 神社 |
No
11877
撮影年月
2020年2月
投稿日
2021年04月15日
更新日
2023年08月24日
撮影場所
神泉苑 / 京都
ジャンル
動物写真
カメラ
RICOH GR III