世界遺産に登録されているアジャンター石窟群は断崖を550mにわたって断続的にくりぬいて築かれた大小30の仏教石窟寺院群だ。石窟がいくつもあるのはやはりアウランガバード郊外にあるエローラ石窟群と同じだ。でも、エローラ石窟群がヒンドゥー教、仏教、ジャイナ教の寺院があるのに対して、こちらにあるのは仏教寺院ばかりなことだ。
仏教発祥の地とされるインドでは仏教はあまり元気がない。21世紀のインドを歩いても見かけるのはヒンドゥー教やイスラム教の寺院ばかりで、それ以外の宗教というと時折頭にターバンを巻いたシク教徒が歩いているのを目にするくらいだ。仏教の影は薄い。でも、ここアジャンター石窟群を訪れると、かつてインドでどれだけ仏教が勢力を誇っていたのかがよく分かる。どの石窟にも、岩をくり抜いた仏像が安置されていて、壁は壁画で装飾されている。
それだけ栄えたアジャンターの石窟群も650年に僧侶たちがエローラにある別の寺院群に移動したことや、インドで仏教が衰退したことなどから、石窟はながらく密林に埋没していたのだという。まさに栄枯盛衰。
2011年3月 建築 インド | |
アジャンター 仏像 洞窟 寺院 世界遺産 |
No
5244
撮影年月
2010年10月
投稿日
2011年03月01日
更新日
2024年07月01日
撮影場所
アジャンター / インド
ジャンル
建築写真
カメラ
RICOH GR DIGITAL