南勢街西羅殿の堂内では、ちょうど説法が行われていた。とはいえ、それは特別に仰々しいものではなく、日常の延長線上にあるような素朴な雰囲気が漂っていた。説法を聞きに集まった参拝客たちの服装も、特別な装いではなくラフな格好が多い。広くないお堂の中で、彼らは立ったまま説法に耳を傾けていた。
ほとんどの人が手を合わせ、真剣な面持ちで話を聞いている。話の内容は中国語で進められていたため、僕には何を語っているのかはまったく分からなかった。それでも、参拝客たちの表情や所作から、彼らが説法の内容に深く共感し、心を寄せていることが感じられた。
お堂の中に響くのは、説法をする声だけだ。他には話をしている人もおらず、静けさが支配している。その静寂の中で、語られる言葉が持つ重みが一層際立っているようだった。この場に漂う空気には、神聖さや敬虔さが満ちていて、言葉を超えた何かを感じさせる力があった。
2017年3月 人びと 台湾 | |
儀式 台南 寺院 参拝客 |
No
10066
撮影年月
2016年9月
投稿日
2017年03月09日
更新日
2025年01月22日
撮影場所
台南 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
EF85MM F1.2L II USM