もちろん近代的なスーパーマーケットも存在しているが、昔ながらの市場も健在で、活気に満ちている。水仙宮市場はその良い例で、大勢の地元の人々が食材を買い求めて訪れていた。市場全体には、アジアのマーケットならではの熱気が漂い、どの店も賑わいを見せている。このエネルギーが、僕に「アジアの市場はこうでなければ」と思わせるのだった。
市場の片隅に、いくつかのテーブルが並べられている一角があった。そこにはひとりの女性が腰を下ろしていて、軽食を楽しんでいるようだった。テーブルの上には割り箸がぎっしり詰まった箸置きが置かれており、見慣れた日本の光景を思い起こさせた。
しかし、その女性の後ろにはプラスチック製の籠が山積みになっていて、どこか物置場のような雰囲気を醸し出していた。その無造作に積み上げられた籠と軽食を食べる女性の静かな姿との対比が、混沌とした市場の中に妙な調和を生み出しているように思えた。市場の片隅に広がる日常の一コマに、僕はつい目を奪われたのだった。
2017年3月 町角 台湾 | |
籠 お箸 眼鏡 市場 テーブル 台南 女性 |
No
10068
撮影年月
2016年9月
投稿日
2017年03月11日
更新日
2025年01月22日
撮影場所
台南 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
EF85MM F1.2L II USM