歩いていた道は閑散としていた。この辺りにお店はなく、時折工場のようなものを見掛けるだけだった。両脇に立ち並んでいるビルも静まり返っていて、人の気配は感じられない。歩行者もほとんどいない道をひとりで黙々と歩いていた。もっとも僕はどこか特定の場所に向かって歩いている訳ではない。ただなんとなくバンコクの繁華街の方に向かって歩いていただけだった。この辺りもそれなりにバンコクの中心に位置しているはずなのだけれど、喧騒とは無縁だ。そんな調子で歩いていると、道端に男がいるのが見えた。
男は台のようなものの上に胡座をかいている。そこには屋根もあって、ちょっとしたお店のようにも見えるけれど、商品の類は何も並べられていない。ただただ男はそこでじっとしているようだ。男の前を通り抜けようとすると、男は僕に視線を投げかけてきた。かといって、僕に話しかけてくる訳でもない。男は降り注ぐ強い日差しを避けながら、じっと暑さをやり過ごしているようだった。
2018年4月 人びと タイ | |
バンコク 男性 |
No
10511
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年04月09日
更新日
2024年02月26日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA