運河沿いの広がる住宅街の中を歩いていると、大勢の地元の人を見かける。みなここでいつもと変わらない日常生活を営んでいるのだ。家々の扉は無防備に開いていることが多く、前を通る際に家の中の様子を垣間見ることができる。そして、中に見える人たちはみなゆったりとしていた。とある家の前を通りかかると、扉の前に二匹の猫がお座りしていた。やはりこの家の扉も開いていて、玄関先に机が置かれている。男が机に就いているのが見えた。
男はちょうど昼ごはんを食べているところだった。弁当箱を広げて中のものをつついている。猫は男が食べているのをじっと眺めているのだった。お裾分けが来るのを待っているのだろう。僕が家の前に立ち止まると、二匹の猫は僕を振り返る。思いがけないことに、何もしていないのに二匹の視線はとても鋭い。敵意をはっきりと感じるくらいに鋭い。どうやらお裾分けをもらうのは二匹だけで、僕には渡さないぞという決意を伝えてきているようだ。もっとも、僕もお裾分けをもらいたくて立ち止まった訳ではない。でも、食べ物の恨みは怖いから僕はいそいそとその場を立ち去ることにしたのだった。
2018年8月 動物 タイ | |
バンコク 猫 昼食 男性 |
No
10675
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年08月03日
更新日
2024年02月06日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
動物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA