パーククローン花市場で働く男はプラスチック容器に果物を詰めていた

フラワーマーケットと言われているだけあって、市場には花を売っている店が軒を連ねている区画がある。そこにあるお店はお供え物に使用する花を扱っているところが多いような気がした。でも、写真の男が働いているお店はちょっと違った。カウンターの中に腰を下ろしていたTシャツの男は、左手にビニール袋をして何やら一所懸命にプラスチックの容器に物を詰めている。

見たところ、男がプラスチックのトレイに詰めているものはカットされた果物と丸められたバナナの葉のようだ。これも仏様にお供えするものなのかはよく分からない。でも、お供え物を売るコーナーで売られているから、おそらくはそうなのだろう。日本人には仏前にバナナの葉を並べるなんて、ちょっと不思議に感じてしまうけれど、バンコクの寺院に赴くと大量のバナナが奉納されているので、葉っぱもついでに奉納されているのかもしれない。そんな僕の好奇心をよそに、Tシャツの男は僕を気に留めることもなく黙々と仕事を続けている。暇な旅行者を相手にしているような時間はないのだろう。手慣れた手つきで次から次へとパック詰めを続けていた。

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