走る列車から車窓の風景を眺めていると、あれよあれよという間に線路脇に建つ住居が増えていく。マハーチャイを出発した列車はバンコク郊外に差し掛かっているようだ。もうここはバンコク中心部への通勤圏内のようで、多くの人が列車を利用している。途中駅にも大勢の人が列車を待っているのが見えた。
途中駅に列車が停まっている間にプラットフォームを眺めると、この駅にも大勢の人がいた。メークロン線の中では比較的大きな駅のようだ。プラットフォームから1段降りたところには沢山のベンチが設置されている。そして、うごめいている人びとの中にじっとベンチに座ったまま動かない男がいるのに気がついた。
男は列車が駅に入ってきているのに動く気配は全く見せない。まるで列車のことなど眼中にないようだ。この列車を待っているわけではないのだろう。視線を落としてまま座っている男を見ていると、座っていること自体が男にとって重要なことであるかのような気がしてしまう。
2020年4月 人びと タイ | |
バンコク ベンチ 男性 駅 |
No
11469
撮影年月
2019年9月
投稿日
2020年04月02日
更新日
2023年09月07日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
RICOH GR III