上半身裸の男がイスラム教の墓地に腰を下ろして休憩していた

マハナック墓地で親指を立てる男
マハナック墓地で墓穴を掘っていた男
似たような写真

バンコクをウロウロしていると墓地を見つけた。別に墓地が好きなわけではない。たまたま見つけた墓地だ。仏教徒が多数を占めるバンコクで、墓地を目にするのは珍しい。本来の仏教の教えでは、人は死んだら輪廻転生するから墓地は作らない。お墓を作ることは現世への執着を表しているものに過ぎないと考えるらしい。この墓地はどのような由来のある墓地なのか興味を惹かれた僕は中の様子を眺めながら墓地の脇を歩いていた。案の定、ここは仏教徒のお墓ではなかった。写真の左下の墓標に三日月と星が描かれているのが見えるように、イスラム教徒のお墓なのだ。宗教によってお墓に対する考え方が違っていて興味深い。

墓地の中を覗き込んでいると、中にいた男たちが声を掛けてきた。男たちは墓地で穴を掘っていた。コミュニティに属する誰かが亡くなったのだろう。人力でシャベルを使って深い穴を掘るのは難儀なことだから、ふたりで交代しながら掘っている。写真の男はちょうど休んでいて、もうひとりの男がせっせち掘っていた。男は墓地の真ん中にどっしりと腰を下ろして、煙草をふかしながら同僚が掘っているのを見ていた。周囲には幾つもの墓標が地面から突き出ていた。シンプルな墓標ばかりだ。名前が書いてあるのかさえ、よく分からない。そんな墓地のど真ん中で男にカメラを向けると、笑顔で親指を立ててくれた。

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ENGLISH
2018年8月 人びと タイ
バンコク 墓地 煙草 男性 上半身裸 サムアップ 腕時計

PHOTO DATA

No

10688

撮影年月

2017年9月

投稿日

2018年08月12日

更新日

2024年02月04日

撮影場所

バンコク / タイ

ジャンル

ポートレイト写真

カメラ

SONY ALPHA 7R II

レンズ

SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA

日本国外で撮影した写真とエッセイ

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