ブラブラと歩いているうちに人通りの多い場所へ来ていた。道路脇にはお店があって、人びとが行き来している。人びとに混じって歩いていると、立ち止まらずにはいられない事態が生じた。歩道の端にひとりの男が腰を下ろしている男がとてもユニークだったのだ。何もせずに通り過ぎることも、もちろん出来たのだけれど好奇心がそれを許さない。僕はその男の前に立ち止まった。
ぱっと見たところ、男は何をする訳でもなく、ぼんやりと腰を下ろしている。でも、男の鼻の穴にはしっかりと小さな花が詰められているのだ。うっかりそうなってしまったとは思えないくらいに、花は穴の中に詰められている。タイの辺りにそのような習慣があるという話は聞いたことが無い。男が何のために鼻に花を詰めていたのかは不明だ。ひょっとしたら、花を鼻の穴に詰めて歩道で時間を過ごすということが、男にとっては何かのまじないなのかもしれない。いずれにしても、男にカメラを向けても表情ひとつ変えず、鼻に花を詰めたまま遠くの方をぼんやりと眺め続けていた。
2018年6月 人びと タイ | |
バンコク 花 男性 |
No
10586
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年06月01日
更新日
2024年02月13日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA