年配の女性が龍山寺の祭壇の前に陣取っていた。見ていると、女性はふたつの三日月の形をした石を床に向かって何遍も放っていた。この女性はお参りをしているだけではない。ポエ占いという占いを何度も行っているのだ。日本でも神社仏閣でおみくじを引いて、自分の運勢を占ったりするけれど、このように石を投げて占うのは見たことがない。このポエ占いというものは、どうやら中国では広く行われているものの、日本には伝播しなかったようだ。
占いを行う者はポエと呼ばれる三日月型の石をふたつ地面に放り投げて、そのポエの状態によって占いを行う。写真の女性が投げたポエはふたつとも、平らな面が上を向いている。これは笑杯という結果で、占いの内容が明白でない時やその時期がまだきていない、あるいは特に神様からの意見はないということを表している。
ポエ占いはポエの状態で占うのでYESかNOかのクローズドクエスチョンしかできない。NOの時に、ではどうすればいいのかはわからない。正解は自分の頭で考えろということなのだろう。これは神様にとって都合がいい。神様はもったいぶっている方が有り難みがあるし、結局考えているのは自分なので神様は責任逃れできる仕組みになっている気がしてならない。
2019年11月 人びと 台湾 | |
チェック柄のシャツ 龍山寺 老婆 台北 寺院 参拝客 |
No
11267
撮影年月
2019年7月
投稿日
2019年11月05日
更新日
2023年10月09日
撮影場所
台北 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
RICOH GR III