台北にある龍山寺の境内を歩き回っていると、赤いトレイが置いてあった。上には三日月型の小さな物体が幾つも載せられている。この物体はポエと呼ばれるものだ。漢字では「杯」、「貝」や「盃」と書くらしい。台湾では一般的なもので、参拝客はこのポエを使って自分の運勢を占う。日本の神社仏閣で必ず売っているおみくじみたいなものだ。
この物体を使ったポエ占いは台湾ではかなり一般的だ。ここ龍山寺ではもちろんのこと、台湾の他の寺院でも行っている人を見かけるのは珍しいことではない。運勢を知りたい人はポエをふたつ掴んで、それを地面に向かって放り投げる。そして、地面に転がったポエの状態によって運勢が分かるという仕組みになっているのだ。
見たところ、台湾の人は日本人よりも信心深い。観光名所にはなっていない寺院を訪れても参拝客がいないことはないくらいだ。でも、お参りするだけでなく、ポエ占いをよくする台湾の人を見ていると、ただ単に信心深いだけではないような気がしてくる。神様に願掛けをすると同時に、その結果をすぐにでも知りたがっているように見えるのだ。台湾の人はせっかちで願掛けの結果がすぐに分からないと不満なのかもしれない。
No
11269
撮影年月
2019年7月
投稿日
2019年11月07日
撮影場所
台北 / 台湾
ジャンル
静物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 1.8/85