龍山寺の入り口を入ってすぐにある祭壇の前には常に人集りができていた。誰かがお参りを終えても、すぐさま他の誰かがやって来る。参拝客はひっきりなしに訪れるのだ。そして、参拝客たちは誰もが真剣にお参りしている。神社仏閣で真剣にお参りするのは、年配の人が多いようなイメージがあるけれど、龍山寺には若い人も結構いるのだった。老若男女、誰しもが悩みを抱えていてお参りに訪れるようだ。参拝客の姿を眺めていると、幼い男の子がやって来て、年配の人びとに混じってお参りを始めていた。若い子には若い子なりの悩みがあるのだろう。
日本ではお参りする際に、住所も言わねばならないという人もいる。そうしないと、お参りに来たのがどこの誰なのかが神様には分からないからだそうだ。確かに、交通が発達した現在ではお参りに来るのが氏子である近所の住人とは限らない。御利益を与えようにも誰だか分からなければ与えようがないのだろう。そのような習慣(慣習?)は台湾にもあるんだろうかとボンヤリと考えていると、お参りの際に自分は一切住所を伝えていなかったことに気が付いた。失敗だ。海の向こうからやって来た僕の住所など、台湾の神様は分からないに違いない。
No
11273
撮影年月
2019年7月
投稿日
2019年11月09日
撮影場所
台北 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 1.8/85
モノクロの写真を108枚掲載。もちろんKINDLE UNLIMITEDでも読めます。