メークロン駅の駅舎はとても小さく、特筆すべきものはなかった。どこにでもある田舎の駅だった。あっという間に小さな駅舎の中を歩き終えて、列車の中に乗り込む。2両編成の車両の中はガラガラだった。全座席は自由席なので、座席は選び放題だ。車両の外にはあれだけ大勢の観光客がいるのに、車両の中にはほとんどいない。ほとんどの観光客にとって、この列車は走るのを外から見るものであって、移動するために乗り込むものではないらしい。僕は空いている席に腰を下ろして、じっと出発時間が来るのを待っていた。
近くの席には、僕と同じように出発を待っている女性が姿があった。女性は鞄の中からスマホを取り出して、じっと画面を眺めている。隣の席には幾つかビニール袋が置かれている。見るからに地元の人だ。この一日に数本しか無い列車に乗って、家に帰るところなのだろう。柔らかな陽射しが車窓から注ぎ込んでいる。そして、まるでスポットライトのように女性の顔を照らしていた。
2018年7月 人びと タイ | |
携帯電話 メークロン 列車 若い女性 |
No
10655
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年07月19日
更新日
2024年02月07日
撮影場所
メークロン / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA