入った展示室は広々としていて静かで、真ん中に大きなガラスケースが置かれていた。ケースの中にはこの博物館の目玉である財宝が陳列されていた。翠玉白菜という翡翠の彫刻だ。僕はこれを見るためにわざわざここまで足を伸ばしたのだ。
宝石で作った彫刻というと、何やら豪華なものをイメージしてしまうけれど、これが意外なことに白菜の形をしている。でも、ただの白菜ではない。翡翠の色合いがちょうど白菜の葉っぱの色に合致している。そして、緑の葉っぱになっているところにはバッタとキリギリスも彫られているのだった。とても精巧な彫刻だ。でも、一番気になるのは、作者が翡翠の原石を見た時になぜ白菜を彫ろうと思ったのかということだ。
考えながらじっと見ていると、他の来館者もガラスケースのところにやって来た。そして、白菜を指差していた。
2017年5月 静物 台湾 | |
嘉義 白菜 博物館・美術館 彫刻 |
No
10145
撮影年月
2016年9月
投稿日
2017年05月17日
更新日
2023年09月09日
撮影場所
嘉義 / 台湾
ジャンル
静物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA