ウブドにあるヒンドゥー教寺院の塀におどろおどろしい顔があった。ヒンドゥー教に出てくる神なのだろう。その恐ろしい顔で寺院の境内を守護しているのだ。インドネシアは世界で最もイスラム教徒の多い国だが、例外的にバリ島だけはヒンドゥー教徒が多い。そのためウブドの町中にはイスラム教では禁じられている偶像があちらこちらにある。
邪悪なものが境内に入ってくるのを防ぐために、寺院の入口に怖くて強そうな偶像が備え付けられるのは日本の仏教寺院、ネパールのヒンドゥー教寺院、ここバリ島のヒンドゥー教寺院のいずれでも同じだ。偶像が神域の入口にあるのが当たり前だと思ってしまうと、逆にキリスト教やイスラム教などの一神教の宗教施設の入口に何もないのが不思議になってしまう。ヨーロッパの教会ではガーゴイルがあることもあるけれど、これに教会を守護するという意味はない。
そもそも寺院で祀られている神様は人知を超えた存在のはず。それなのにその神様を守る存在が別にあるというのがちょっと不思議だ。人知は超えられても邪悪なものには敵わないということなのだろうか。それとも戦ったら勝つのは当たり前なのだが、面倒なので他の存在に委託しているだけなのだろうか。
2009年9月 インドネシア 静物 | |
神 顔 ごつい顔 彫刻 ウブド |
No
3211
撮影年月
2009年6月
投稿日
2009年09月25日
更新日
2023年11月30日
撮影場所
バリ島 / インドネシア
ジャンル
静物写真
カメラ
CANON EOS 1V
レンズ
EF85MM F1.2L II USM