ムンバイの商店街を歩いていた。店が軒を連ね、行き交う人々がそれぞれの目的を持って買い物を楽しんでいる。特別な活気があるわけではないが、決して寂れた雰囲気でもない。平日の商店街は、どこか落ち着いた日常の空気が漂っていた。
道のあちこちでは、買い物に疲れた人々が腰を下ろして休憩している。その姿は、まるでこの賑わいの中の静かな点のようだった。
ふと、ひとりの女性が目に留まる。彼女は道端でゆったりと腰を下ろし、何かをじっと見つめていた。額には鮮やかなビンディが輝いている。
カメラを向けると、彼女は優しく微笑んだ。インドの街角では、カメラを向けると恥ずかしがる人もいれば、気にせず無表情を貫く人もいる。でも、彼女は違った。その笑顔には、どこか穏やかで温かな空気が流れていた。
その瞬間、僕は商店街の喧騒や人びとの流れを忘れ、ただこの女性の微笑みに見入ってしまった。ムンバイの日常のひとコマ。それは、何気ないけれど、どこか心に残る出会いだった。
2025年3月 インド 人びと | |
ビンディ ブレスレット ムンバイ サリー 女性 |
No
12838
撮影年月
2024年5月
投稿日
2025年03月15日
撮影場所
ムンバイ / インド
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF