ムンバイの陽射しは容赦ない。ひとたび外に出れば、じわりと汗が滲み、喉はすぐに渇いてしまう。そんな厳しい環境の中で、人々のエネルギー源となっているのが、街のあちこちで提供されている「チャイ」だ。
特に問屋街のような場所では、荷を運ぶ人夫たちがひっきりなしにチャイ屋へと足を運ぶ。 彼らにとってチャイは、ただの飲み物ではない。甘く濃厚なチャイを飲み干せば、疲れた体に活力がみなぎり、また次の仕事へと向かう気力が湧いてくる。 まさに、ムンバイの労働者たちにとっての「エナジードリンク」なのだ。
歩道の端に腰を下ろしていた男も、エネルギーを補充している一人だった。紙カップに入ったチャイを片手に、じっと僕のカメラを眺めている。蒸し暑い空気の中、たった数分の「一服」が、彼にとってどれほど大切な時間なのだろう。
そんな何気ないムンバイの日常の風景に、僕はふと足を止めた。彼の手元のチャイが、ムンバイという都市の鼓動を映し出しているように思えたからだ。
2025年3月 インド 人びと | |
チャイ 眼鏡 ムンバイ 口髭 笑顔 |
No
12835
撮影年月
2024年5月
投稿日
2025年03月13日
撮影場所
ムンバイ / インド
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF