ムンバイの通りを歩いていると、ゴミ収集車が道端に停まっていた。日本で見慣れた、後部に機械が取り付けられた巻き込み式の近代的なマシンのような車体ではなく、ぱっと見ただけではそれが「ゴミ収集車」だとはわからない。幌も屋根もない、ただのトラックだった。荷台にはゴミが山のように積まれ、男たちがその上にさらにゴミ袋を放り投げていた。
この都市には2000万人以上が暮らしている。生み出されるゴミの量は、当然ながらとてつもない。アメリカのように1人1日あたり1.9キロもゴミを出す国に比べれば、インドの排出量は少ない。ムンバイの1人あたりの排出量は、1日およそ0.453キログラムだという。けれど、この街に住む2000万人が毎日出すとなると、それでも山のようになる。
それらのゴミは、今もほとんどが「デオナール処分場」に運ばれる。100年以上前に作られたアジア最古のゴミ捨て場だ。埋めて、また埋めて、積み重ねていった結果、今では高さが10階建ての建物を優に超える。焼却施設はほとんどなく、燃やすこともないまま、ただ積むだけ。年中、どこかで煙がくすぶっている。
写真のゴミを収集している男が、その事実を知っているのか知らないのか。あるいは、そんなことはどうでもよいのかもしれない。彼らの役割は、ただ今日のゴミを、山に届けることだ。そして明日も、また同じ場所へと運び続ける。終わることのない仕事だ。でも、それがムンバイという巨大都市の見えない背骨を静かに支えている。
2025年3月 町角 インド | |
ゴミ 荷台 ムンバイ ずだ袋 トラック |
No
12848
撮影年月
2024年5月
投稿日
2025年03月24日
更新日
2025年03月25日
撮影場所
ムンバイ / インド
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF