商店が軒を連ねるムンバイの商店街。その華やかな表の顔とは対照的に、裏側に回るとそこには生活の気配が色濃く漂っている。ここは商売の場であると同時に、多くの人々の住まいでもあるのだ。
歩いていると、大人たちの忙しげな姿に混じって、子どもたちの姿もちらほらと見かける。学校帰りなのか、それとも家の手伝いを終えたところなのか。彼らは僕のような外国人を見つけると、決まって好奇の目を向けてくる。
そんな視線を感じて、カメラを向けてみると面白い。ほとんどの男の子たちは、僕の行動を察知するなり、笑いながら路地の奥へと駆けていってしまう。まるで鬼ごっこのような一瞬の駆け引き。でも、中には逃げる友達を尻目に、好奇心のほうが勝って踏みとどまる子もいる。
不安と興味の狭間で揺れる視線。彼らの心の中で、僕という異邦人がどんなふうに映っているのかはわからない。でも、ムンバイの路地で交わされたこの静かな駆け引きは、ひとつの小さな出会いとして僕の記憶の中に刻まれるのだった。
2025年3月 インド 人びと | |
路地 男の子 ムンバイ |
No
12841
撮影年月
2024年5月
投稿日
2025年03月17日
撮影場所
ムンバイ / インド
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF