台北は中心部にも地元の人向けの市場がある。一日前に訪れたのは団地の脇に建つ成功市場という勇ましい名前の市場だった。旅に出ると僕は地元の市場に行ってしまう。お土産物は一切売っていないけれど、地元の人の日常生活を垣間見られるような気がして、地元向けの市場に行くのは楽しい。それに観光客向けの市場と違って、買い物客もそこで商売している人もどちらも観光客向けの仮面をかぶっていない。いわば誰もがすっぴんで歩いている。近所に住んでいる人にいたっては文字通りのすっぴんで歩いていたりして、ウロウロするだけで楽しい。
そんな訳でこの日にやって来たのは台北の大安区にある白蘭という名の市場だった。大通りからちょっと入ると、そこが市場になっていて道の両脇にお店が建ち並んでいる。市場はそれほど混雑していなかった。買い物客たちがのんびり売っているものを眺めている。僕も地元の人に混じって歩いていると、お店の前に座ってピクリとも動かない女性がいた。女性の周りだけ時間が止まってしまったかのようだ。ぐったりとした顔をしていて、まだ午前中なのにもう疲れ切ってしまったかのようだった。
2019年11月 人びと 台湾 | |
疲労困憊 市場 店頭 台北 女性 |
No
11278
撮影年月
2019年7月
投稿日
2019年11月13日
更新日
2023年10月06日
撮影場所
台北 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 1.8/85