新宿駅西口には駅前にロータリーが設けられている。かなり昔からあるのだけれど、いまだに車だとどうやってこのロータリーの入ってくるのかが分からない。ロータリーを囲むように伸びる通路の方は数え切れないくらいに歩いているのだけれど。
いつもと同じように大勢の人たちが通路を歩いていた。ロータリーのから日差しが差し込んでいて、歩いている人たちはシルエットになっている。みなどこかへ向かう途中だ。通路の途中で足を止める人はおらず、誰も彼もが急ぎ足でここを通り過ぎていく。そのような通路に一角に僕は立ち止まり、道行く人びとを眺めていた。
そうこうしているうちに、目の前を幼い兄妹が通り過ぎ始めた。他の大人たちとは違って、歩いているだけなのにふたりは楽しそうだ。まるでダンスのステップを切るかのように歩いていた。お出かけするのが心の底から楽しいのだろう。この子たちのように人混みの中を歩くだけで楽しく感じられたら、僕ももっと日々を楽しめるに違いない。でも、残念ながらこの子たちのように都心に出かけるだけで楽しくなるようなみずみずしい感覚はとうの昔に僕の中から失われてしまっているような気がする。
2019年10月 町角 東京 | |
通路 新宿 シルエット |
No
11245
撮影年月
2019年6月
投稿日
2019年10月21日
更新日
2023年09月09日
撮影場所
新宿 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
RICOH GR III