新宿駅西口の駅前にロータリーがある。昔からあるのだけれど、いまだに車だとどうやってこのロータリーに入ってくるのかが分からない。ロータリーを囲むように伸びる通路は数え切れないくらい歩いているのだけれど。
いつもと同じように大勢の人たちが通路を歩いていた。ロータリーから日差しが差し込んでいて、歩いている人たちはシルエットになっていた。誰もがどこかへ向かう途中だ。通路の途中で足を止める人はおらず、急ぎ足で通り過ぎていく。そのような通路の一角に僕は立ち止まり、道行く人びとを眺めていた。
そうこうしているうちに、目の前を幼い兄妹が通り過ぎ始めた。他の大人たちとは違って、歩いているだけなのにふたりは楽しそうだ。まるでダンスするかのように歩いていた。お出かけするのが心の底から楽しいのだろう。この子たちのように歩くだけで楽しく感じられたら、僕ももっと日々を楽しめるに違いない。でも残念ながら、この子たちのように出かけるだけで楽しくなるようなみずみずしい感覚はとうの昔に僕から失われてしまっているような気がする。
2019年10月 町角 東京 | |
西新宿 通路 シルエット |
No
11245
撮影年月
2019年6月
投稿日
2019年10月21日
更新日
2023年10月15日
撮影場所
西新宿 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
RICOH GR III