この日にやってきた東京オペラシティのアートギャラリーで開かれていたのは川内倫子という写真家の展覧会だった。大抵の場合、写真展では数こそ違うとはいえ、壁に飾られた写真を黙々と眺めていくことが多い。この日もそのつもりで展示室に足を踏み入れたところ、ちょっと様子が違う。もちろんプリントされた写真も飾られているのだけれど、単に壁にプリントを飾るに留まっていなかったのだ。ディスプレイに表示されたものもあり、立体の作品もあり、動画の作品もあったし、何よりも空間にデコレーションが施されているところもあったりして、単なる写真展示とはひと味もふた味も違う展示になっていたのだ。
確かに川内倫子の作品は写真がベースになっている。とはいえ展示を眺めていると、川内倫子という人の肩書が写真家という枠組みからはみ出ていて、現代芸術家と呼ぶほうが相応しいように思えてくる。古い劇場やドライブインで映画を上映中のスクリーンを写真に収めたり、アメリカ自然史博物館のジオラマを写真に収めたりして、写真家だと思っていた杉本博司はいつの間にか写真かと言うより現代芸術家として活躍の場を広げている。川内倫子も同じような道を進んでいくのかもしれない。
2023年2月 町角 東京 | |
人影 博物館・美術館 西新宿 |
No
12449
撮影年月
2022年11月
投稿日
2023年02月20日
更新日
2023年08月09日
撮影場所
西新宿 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35