台北にある文昌宮の中には文昌帝以外にも5つの神様が祀られている。そして、それぞれの神様がそれぞれの祭壇に鎮座していた。写真の神様はその中のひとつだ。険しい顔をした神様が祭壇の中央に陣取っていて、目の前には大きな香炉が置かれている。線香が何本も立っているところを見ると、今は閑散としているこの文昌宮にも途切れることなく参拝客が訪れるのだろう。
線香を挟むようにして立つ壁には、小さな灯りがびっしりと点いていた。これらは祝福の灯というらしい。参拝客から奉納されたものだ。それぞれの灯りに奉納者の名前が刻まれていて、家族にも御利益が及ぶようになっているのだそうだ。無数にある祝福の灯は閑散とした文昌宮の中で静かに煌々と輝き続けていた。
この灯りはLEDで作られているのか、近くに立っていても熱を感じることはない。でも、ちょっと昔なら白熱球だろうし、さらに遡れば蝋燭で作られていたに違いない。もしそうだとすると祀られている神様は熱くて仕方がなかっただろう。無数の蝋燭が点けられているお堂の中は蒸し風呂のようになっていたに違いない。
No
11301
撮影年月
2019年7月
投稿日
2019年11月29日
撮影場所
台北 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 1.8/85