台湾の他の寺院と同じように、ここ台南にある大觀音亭にもいくつもの祭壇が設けられていた。それぞれ異なる神様が祀られているのだろうが、どの祭壇に誰が祀られているのかは僕には分からない。分かるのは、そこに祭壇があり、人々が何かを祈り求めているということ。それで十分だ。物見遊山で訪れた僕にとって、宗教的な空気に触れることができればそれで満足なのだから。
祭壇のひとつの前に、ひとりの女性が腰掛けていた。椅子に深く座り、両手で経典らしきものをしっかりと持っている。どうやらその経典を読み込んでいるようだ。この寺院で多く見かける参拝客たちは、跪いて祈りを捧げ、線香を手にするのが一般的だが、この女性はそのどちらもしないようだった。彼女は背筋を伸ばし、静かに経典を手にするその姿から、勉強に没頭する学生のような雰囲気を漂わせていた。
祈るという行為が多様であることを、この光景は教えてくれる。跪いて祈る人もいれば、経典に心を集中させる人もいる。それぞれの形で、神様に心を向けているのだろう。
2017年3月 人びと 台湾 | |
祭壇 台南 寺院 参拝客 |
No
10091
撮影年月
2016年9月
投稿日
2017年03月31日
更新日
2025年01月03日
撮影場所
台南 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA