ムンバイのインド門は、それ自体が観光名所であるだけでなく、船乗り場としての役割も果たしている。世界遺産に登録されているエレファンタ石窟群のあるエレファンタ島へ向かうフェリーも、ここから出発するのだ。
乗り込んだフェリーはゆっくりと岸を離れ、インド門が次第に小さくなっていく。その瞬間までは、旅の高揚感に包まれていた。しかし、ある程度沖へ出てしまうと、風景に大きな変化はなく、ときおりすれ違う船が目に入る程度。冷房のない船内は蒸し暑く、エレファンタ島に早く到着してほしいという気持ちが強くなってくる。
前の座席にいた女性も、同じような気分なのかもしれない。頬杖をついて、沖に浮かぶ船をぼんやりと眺めていた。その視線の先に、何か特別なものがあるわけではない。ただ、波に揺られる時間が、やや長く感じられるだけだった。
2025年3月 インド 人びと | |
フェリー ムンバイ 海 船 女性 |
No
12822
撮影年月
2024年5月
投稿日
2025年03月02日
撮影場所
ムンバイ / インド
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF