数多く鎌倉に神社仏閣がある中でもっとも古い寺院というのを耳にして、僕は杉本寺にやって来た。拝観料を払って階段を登り仁王門を抜けると、茅葺きの本堂へ辿り着く前にはたと気がつく。目の前には苔むした古い石段が本堂に向かって伸びているけれど、残念なことにその石段を上ることは叶わない。本堂へは脇にある新しい階段を上がらねばならないのだ。この光景には見覚えがある。そう。前にやってきたときにも石段を登れなくて同じように残念だと思ったのだ。はじめてやって来たつもりだったけれど、以前にも杉本寺に来たことがあったのだ。
今でこそ人が通れなくなっているものの、734年に建立されたとする杉本寺にはこれまで数え切れないくらい多くの参拝客がやって来ているはず。ひとりひとりが石段を歩くことによる摩耗は大したことがなくとも、それが何千何万となってくると話は違う。杉本寺にある石段はかなり摩耗しているのが見て取れて、なんだかヨーロッパにある古い石造りの教会に備え付けられた階段のようだった。
2022年3月 建築 神奈川 | |
鎌倉 階段 寺院 |
No
12209
撮影年月
2022年1月
投稿日
2022年03月19日
更新日
2023年08月15日
撮影場所
鎌倉 / 神奈川
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35