広尾に明治以降の近代日本画を多く収集した美術館が建っている。山種美術館だ。株式相場で財を成した山﨑種二が蒐集した数百点に及ぶ美術コレクションを展示する美術館で、横山大観の作品も所蔵しているし、川合玉堂の作品も所蔵しているし、速水御舟の作品も所蔵している。
入り口近くにあるチケット売り場で入館料を払うと、作品の展示室へ続く階段はすぐ後ろだ。階段は展示室のある地下に向かって下っている。そう。山種美術館の展示室は意外なことに地下にある。意外と感じたのは、山種美術館の入っているワイマッツ広尾というビルは地上6階建てなので1階の入り口から入ったら展示室は2階以上のフロアにあるのだと勝手に思っていたからだ。
地下に向かって降りていく薄暗い階段を見ていると、なんだか作品が地下に設けられたシェルターに収蔵されているようにも思えてしまう。万が一、第二次世界大戦中に行われた東京大空襲のような無差別攻撃を受けても、収蔵している美術品は焼失を免れられるようにだ。そういえば、二十世紀最大の考古学的発見とも言われる死海文書を展示しているイスラエル博物館の聖書館は、核攻撃を受けても死海文書が破壊されないように博物館自体が核シェルターになっているという噂を耳にしたことがあるけれど、この噂は本当なのだろうか。
2021年8月 町角 東京 | |
広尾 博物館・美術館 階段 |
No
11998
撮影年月
2021年2月
投稿日
2021年08月14日
更新日
2023年08月18日
撮影場所
広尾 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
RICOH GR III