サンペーン市場に出ていた屋台で売られているものを眺めていると、すぐ横に女の人がしゃがんでいるのに気が付いた。前掛けをしていた女性は客ではなく、この屋台の店主だった。僕がじっくりと売り物を眺めている間、彼女は彼女で僕をジロジロと見ていたのだ。ひょっとしたら、僕から注文が入るのを待っていたのかも知れない。残念。僕はただ見ていただけだ。
注文をする代わりにカメラを向けると、女性はちょっと驚いた。そして、串焼きとパクチーを僕に見せながら、照れ笑いを浮かべたのだった。おそらくは、突然カメラを向けられて、何をすればいいのか咄嗟に思い浮かばなかったのだろう。
左手に持っているのはパクチーだ。英語ではコリアンダーといい、日本でも一般的になっている香草だ。タイ料理にパクチーは欠かせない。クミンを料理に入れるとなんでもインド料理風に、三つ葉をいれるとなんでも和風になるように、パクチーを入れると途端にタイ料理風になるような気がする。最近は突如として日本でも人気が沸騰して、あんなものにもこんなものにもパクチー入のメニューが用意されていたりする。パクチーの入ったモヒートなんてものもある。添え物のパクチーでは満足できない人向けにはパクチーの山盛りなんてのもあるようだ。でも、タイ人曰く、パクチーはあくまでも香り付けでバクバク食べるものではないとのこと。タイの人にはパクチーそのものをバクバク食べるのは、パセリの山盛りを食べているのと同じように見えるらしい。
2020年1月 人びと タイ | |
エプロン バンコク 恥ずかしがり屋 串 女性 |
No
11344
撮影年月
2019年9月
投稿日
2020年01月04日
更新日
2020年09月23日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA