ダカ・トピをかぶった二人の男が町角の軒下でのんびりお喋りしていた

軒下でお喋りしていたダッカ・トピをかぶった男たち
軒下でお喋りする男たち

ネパールの古都であるバクタプルの街を、あてもなくふらふらと歩いていた。ここはかつてマッラ朝の首都として栄えた場所で、街全体が中世の面影を色濃く残している。赤レンガと見事な木彫りの窓枠で構成された古い建物が立ち並び、空には無数の電線がだらしなく絡み合っている。建物の壁にはいくつもの亀裂が走り、歴史の重みというよりは単なる老朽化を思わせる危うさがある。そんな崩れかけの建物の角に、「WAY TO Durbar Square」と手書きされた看板がぶら下がっていた。どうやらこの薄暗い路地を抜けた先が、街の中心であるダルバール広場へと通じているらしい。

その街の中心であるダルバール広場へと通じているらしい路地のすぐ脇で、ふたりの年配の男が建物の軒先にちょこんと腰を下ろしていた。名所へ急ぐ観光客など完全に無視して、我が物顔で段差を陣取っている。ふたりとも頭にはダカ・トピと呼ばれる幾何学模様の入った帽子を被り、シャツの上からベストを羽織るという、ネパールの伝統的なお決まりのスタイルである。「ダカ」という名前は、かつてバングラデシュのダッカから生地を輸入していたことに由来するらしいが、今ではすっかりこの国の国民的な帽子として定着している。

そのすっかり国民的な帽子として定着しているダカ・トピを被った男たちは、一体何をしているのかと観察してみても、特段何をしているわけでもない。足をぶらつかせたり、胡座をかいたりしながら、ただ長閑に世間話に花を咲かせているだけだ。すぐ目の前が世界遺産の広場に続く道だというのに、彼らにとってはただの退屈な日常の背景に過ぎないのだろう。立派な宮殿や寺院をありがたがって汗だくで見物して回るよりも、こうして日陰の段差に腰掛けて無駄話に興じている方が、人間の過ごし方としてはよほど理にかなっているような気がしてくるのだった。

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ENGLISH
2009年12月 町角 ネパール
バクタプル 帽子 お喋り 二人組 軒先 電線 男性 旧市街 世界遺産

PHOTO DATA

No

3503

撮影年月

2009年6月

投稿日

2009年12月18日

更新日

2026年05月26日

撮影場所

バクタプル / ネパール

ジャンル

ストリート・フォトグラフィー

カメラ

CANON EOS 1V

レンズ

EF85MM F1.2L II USM

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