普段なら大勢の買い物客と観光客で賑わっている銀座の中央通りも人通りはまばらだった。この写真を撮ったのは2020年5月、東京でも新型コロナウイルスが広がった結果、最初の非常事態宣言が発令されている最中のことだった。
日本の非常事態宣言は他の国のロックダウンと違い、外出が法的に禁止されるものではなく、自粛を要請されるという不思議なものだ。それでも、この時はまだ多くの人がその要請に従っていて、銀座の人出も少なかった。それから早いものでもう一年だ。新型コロナウイルスは相変わらず猛威を振るっているけれど、対する人間は自粛に疲れてしまっている。何かすることを止めるのが自粛だから、つまるところ何もしていないのだけれど、それはそれで疲れるのだ。
銀座の人出も、今はこの写真の時より多い。新型コロナウイルスの感染者数は一年前と比べ物にならないくらい増えているにもかかわらず、もう人びとは感染者数の多寡にすっかり慣れてしまったのだ。何事にも順応してしまう人間の能力って、ちょっと怖い。
2021年5月 町角 東京 | |
銀座 脚 歩行者 歩道 |
No
11899
撮影年月
2020年5月
投稿日
2021年05月07日
更新日
2023年08月22日
撮影場所
銀座 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF