タイのバンコクにあるプラナコーン区で撮影。
町を歩いていて、ふと脇道に目を向けると路地の奥に食堂が見えた。テーブルがひとつしかない小さな食堂だった。そのひとつしかないテーブルに親子連れが就いている。ふたりは並んでプラスチック製の椅子に腰を下ろしてご飯を食べていた。
昼ご飯を食べているというにはまだ早く、朝ご飯を食べるにはちょっと遅い時間だった。ふたりはいわゆるブランチを摂っているのだろう。タイにもブランチを摂るという習慣があるのかどうかは分からない。いずれにしても、一日の活動を開始する前にはしっかりと腹ごしらえをしなければならない。腹が減っては戦はできないのだ。黙々と食べているお母さんの背中は、丸まっていて猫背気味な割には大きく見える。それに比べると男の子の背中はとても小さい。プラスチック製の椅子も男の子にはまだ大き過ぎた。男の子は椅子に腰掛けるというよりも、上にちょこんと乗っている。
ちなみに「ブランチ」という言葉は、英語の朝食を意味するBreakfastと昼食を意味するLunchの混成語だ。