市場のようにゴチャゴチャした通りを抜けて、バンコクのチャイナタウンに伸びる他の道へ入っていった。こちらは打って変わって混んでいない。落ち着いた雰囲気の通りだ。歩くのに丁度いい。
道の端に幾つか屋台が出ていた。歩行者は少ないものの、それなりに人通りがあるのだろう。写真の男はそんな落ち着いた雰囲気の道に屋台を出していたひとりだ。道路脇に鉄板の付いたワゴンを出した男は、タイ風クレープを販売していた。タイ風のクレープはロティと言う。ロティというとインドでカレーを食べる時に出てくるものを想像してしまうけれど、タイのロティは甘いお菓子だ。同じ名前で呼ばれるくらいだから、もともとは同じものなのだろう。
ワゴンには生卵とバナナが置いてあるのが見える。男は耳にイヤフォンを付けて楽しげに働いていた。僕はその楽しげな雰囲気に惹かれて近づいていく。音楽を聞きながら働いているとは言え、近くまでよると男は気が付いた。自分にカメラが向いていることに。
ここはそれなりに人通りがある場所で男の仕事は通りすがりの人に軽食を販売すること。しかしながら、通りすがりの人間にカメラを向けられることはあまりないのだろう。カメラを見つけた男は照れ笑いを始めた。
2020年1月 人びと タイ | |
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No
11374
撮影年月
2019年9月
投稿日
2020年01月26日
更新日
2023年09月14日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
RICOH GR III