ター・ティアン市場にあった乾物屋の店頭に干しエビが大量に並んでいた

あまり買い物に訪れている人もおらず、ター・ティアン市場は静けさに包まれていた。店頭に並べられている商品も、じっと買い主が現れるのを待っていた。そのような状況だから、働いている人のほとんども暇そうだ。同僚とお喋りをしたり、スマホで動画を見たり、もしくはぼんやりしながら時間をやり過ごしていた。ここでは時間はゆっくり流れている。

市場の一角に乾物屋があった。店頭に幾つも袋が並べられていて、どれにも干しエビが詰められている。干しエビは調味料だ。タイ料理は日本料理と同じように出汁にこだわる。辛いイメージが先行するトムヤムクンも、丁寧に作る場合には、エビの殻を時間を掛けて炒って作った出汁を用いるという。それくらいタイ料理では重要な食材だ。確かにエビで取った出汁は美味しい。

店頭に並べられている干しエビの袋には、それぞれ異なった値札が突き刺さっていた。高いのもあれば、安いのもある。僕にはどれも同じ干しエビに見えるけれど、見る人が見たらそれぞれ品質は異なるようだ。

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