バンコクの中華街にあるゴミゴミした通りにひっそりと中国寺院が建っていた。僕は喧騒から逃げるように境内に入った。境内は中華街の喧騒が嘘のように静かだった。やはり寺院には静寂がよく似合うと思いきや、寺院は工事中だった。足場が組まれていて、作業員が静かに働いている。喧騒から逃れてやって来たものの、見つけられなかった僕はそそくさと外に出ることにした。
寺院の門のところまで戻って来ると、脇に帽子をかぶった女性が椅子に腰掛けていた。入るときにもいたのだろうけど、その時は気が付かなかった。女性は膝にボウルを載せて、手にしたハサミでジョキジョキと食材を刻んでいる。ボウルはカットされた食材でいっぱいになっていた。
単純作業を続けている女性はあまり楽しそうではなく、疲れているようだ。ハサミを開いたり閉じたりするので疲れてしまったのだろうか。そうならハサミを使うのをやめて包丁を使ったほうが良いのではなかろうか。そんなことを考えている僕には僕には一瞥をくれることもなく、女性は黙々と切り刻み続けていた。
2020年1月 人びと タイ | |
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No
11367
撮影年月
2019年9月
投稿日
2020年01月21日
更新日
2023年09月14日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA