三軒茶屋は渋谷からほど近く、渋谷程ではないけれどそこそこ賑わっている。地下鉄の駅もあるし、駅周辺の地価は世田谷区の中でも高い方に入るらしい。にもかかわらず、駅のすぐ近くに時代に取り残されたかのような区画が残っている。迷路のような路地が入り組んでいて、路地の両脇に古びた低層の建物が並んでいる。再開発されたキャロットタワーのある場所とはまったく別の趣の空間だ。路地には小さなレストランやバーが建ち並んでいて、新宿のゴールデン街のような雰囲気を醸し出している。このような場所は僕の好みだ。
路地に足を踏み入れる。まだ早い時間だったので、路地のレストランもバーもまだ開いていない。路地は静寂に包まれていた。どんどんと路地を進んでいくと、向こうから人が歩いてくるのが見えた。残念なことに、このエリアにも再開発計画があるようで、そう遠くないうちに路地が取り壊されて2棟の高層ビルになってしまうらしい。なんとももったいない話だ。再開発されて整備された町には、どうせどこにでもあるようなお店ばかりが軒を連ねることになるに違いない。再開発をする人はこのような乱雑さが人を惹きつけるということを分かっていない気がする。
2019年9月 町角 東京 | |
路地 三軒茶屋 |
No
11193
撮影年月
2018年10月
投稿日
2019年09月14日
更新日
2023年10月30日
撮影場所
三軒茶屋 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA