問屋街の中、ほとんどの運び屋はトラックから荷を下ろした後、台車を使って荷物を運んでいる。しかし、その中には籐製の籠を使って荷物を運ぶ人も見かける。箱のように積みやすい形状の荷物なら台車が便利だろうけれど、中には不規則な形の荷物もあるのだろう。そんなときには、写真に写っているような男が活躍するのだ。
特に印象的なのは、インドでは頭上に荷を載せて運ぶ所作がごく自然なものであることだ。籠を頭上に載せ、バランスを保ちながら人混みの中を歩いている人を見かけることも珍しくない。さらに驚くべきは、その籠から手を離してもなお、荷物が安定しているj人さえいる点だ。まるで頭と体全体が一体となり、荷物を支える術が洗練されているように見える。
この光景を見ていると、日本でもかつて行商人が同じようにして荷を運んでいた時代を思い出す。古い写真や資料の中でしか見られないその所作は、今ではすっかり姿を消してしまった。こうした技術は現代の便利な物流手段の中で「ロストテクノロジー」となってしまったのかもしれない。
2025年1月 町角 インド | |
路地 籠 ムンバイ 頭上 運送人 |
No
12755
撮影年月
2024年5月
投稿日
2025年01月06日
撮影場所
ムンバイ / インド
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF